Tの拾遺

(テキスト作成は1997年)

第13話 巨獣バキューラの追撃

脚本・松本力  絵コンテ・山吉康夫

064◆バキューラの索敵

トリトンを見失ってしまったポリュペイモスは、ウミワタの怪物・バキューラを召喚する。原作トリトンではポセイドンの息子ゴープであるが、アニメでは怪人の下僕の一頭に過ぎない。その名の通り、バキュームのような巨大生物。しこたま吸いこんだ後は、強アルカリ性の溶解液を放出する。
巨大アンコウのようなエコー・ロケーションを持たないバキューラに、どうやってトリトンを探させるのかと思っていたら、間もなく見つかってしまう。もしかすると、吸い込んだ魚たちの記憶を吸収して航跡を辿るといったような離れ技を持っているのかもしれない。単にスピードがあるだけでは、わざわざ抜擢される事はないであろうから。

065◆マグロ・アタック◆

バキューラに食べられまいと、必死で逃げるマグロの群れが、ピピとトリトンにボディアタックを放つ。この瞬間にかかる力は、概算でピピは50KgW(体量15Kg、速度12ノット)、トリトンは200KgW 。衝突の瞬間は、この3〜4倍と推定される。トリトンがやたらと吹っ飛んだり、クルクル回るのは、全て衝撃を緩和するための受け身である。
そういえば、ウエイトも付けていないのに海中の崖から落ちていきました。マッコウクジラのように、体の比重を変化させられる事も、耐衝撃能力と関係があるやもしれない。