(テキスト作成は1997年) 第6話 行け、南の島脚本・松岡清治 絵コンテ・大貫信夫037◆火を起こす◆トリトンの火の起こし方を見て、影丸譲也「ワル」を思い出した方がいるかもしれない。トリトンは、乾いた良い火口を準備している間に木片と砂を使って発火させた。キリモミ式より遥かに実用的な方法である。ニューギニア高地では、木片と竹ヒゴを使い、てこの原理によって十秒足らずで火を起こすらしい。 キリモミ式で火を起こすのだけはやめた方が良い。手と肩が死ぬほど疲れるだけだろう。 038◆パンの実を焼く◆パンの木。クワ科の常緑喬樹。原産は熱帯太平洋諸島。高さ十m、葉は大型掌状で3〜9裂。雌雄異株。果実は大型、楕円型の集合果で白色パン質の果肉を持ち、食料となる。 039◆椰子の実を割る◆ピピが騒ぐので、トリトンは椰子の実に切り替える。ヤシ科の常緑喬樹。熱帯地方全域に分布している。葉は羽状複葉と扇状に2群される。 澱粉、糖、食用果実を提供し、油脂や繊維、タンニン、酒等の原料ともなる。ココヤシ、アブラヤシ、サトウヤシ、ナツメヤシ等がある。 映画「フリッパー」で、P. ホーガンが椰子の殻を四本貫手一発で穿つシーンがある。超人・一平にも可能か? 040◆喰う◆生きている以上、神様や仙人でもない限り、生き物は生き物を摂取しなければ生命を維持する事は出来ない。 同じ陸人でも、日本へトリトンを連れてきた理由が、ここにある。一般に欧米人はイカやタコ、生の魚を食べない。また、宗教の戒律で豚、牛、貝を食べない国もある。しかし、日本人は西洋料理、中華料理、東南アジア系料理、どこの国のものもOKだ。 猪首村では、ハチの子、サクラケムシ、セミ、イナゴ、スズメ、ヘビ、カエル、イモリなんか食っていても不思議ではない(ホントかよ〜)。 海には、たくさん食えるものはいるが、諸々の都合で食し難いものもある。それは最終決戦で味方をしてくれた魚やイルカたちだ。倫理的に、敵に回ったものを中心に食うとメニューは、以下のような所か。
かように食卓は豊かである。ピピはアザラシたちと同じメニューである。北海の貝は餌が豊富なので大きい。ピピの文句も判らないではない。 041◆待ち合わせ?◆ドリテア、ミノータス、ポリュペイモスの待ち合わせ場所は、百〜百五十年を経た沈没帆船の、最後尾にある談話室らしい。更に奥に行けば、おそらく船長室であろう。集まるのは、何処でも良いのだから、場所のセッティングをしたのはドリテアなのだろう。調度品の趣味は仲々良さそうである。 042◆イルカの眠り◆早暁、イル、カル、フィンがトリトンらを迎えに来ると、ルカーも眠っている。眠っていても沈まないのだろうか。 イルカは、脳の左右半球を交互に睡眠させているらしい。従って、外から観察していても、いつ眠っているかは判らない。「海のトリトン」放映時、この事は未確認だったはずなので、ルカーの描写は仕方ないと思われる。 043◆ダミー◆巨大アンコウを撒くために、かかしを作るトリトンは、正しい十字架しばりを用いていない。壊れ易くするためであろうか。 044◆巨大アンコウ◆マーカスと同じく雌で構成された巨大生物部隊である。アンコウのオスは小さく、メスの腹部に把握歯で密着し、なかには同化してしまうものもいる。 巨大アンコウは、発光器官の部分に音響探査用の発信器官を備えている。しかし、このような能力は、本来イルカ達のものであり、トリトン追撃にどれほどの効果があったのか。実際のところ、甚だ疑問である。 |