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図書館のアレ

今や、指折りの超貧乏となった管理人の地元でも、姿を消して久しいオール木造の図書館。幼児〜小学生の頃、非常にお世話になった。建屋は駐車場も無く、80坪ほどの洋館風二階建てだ。現在見る事ができれば凄く狭いのだろうが、記憶の中では広大なままだ。分類ごとの書架による壁、資料閲覧室にあった扉が原因であろう。チビっ子には障壁だらけで全体がよく見えなかったのだ。

建物の二階は講堂なので、通常は何も設置されていない。ガランとした空間だった。裏手には狭いながらも鹿威しに使えそうな水盤等の石製オブジェと低木が配されていた。その奥にあった厠と通路を、閲覧室から遮るための工夫だったようだ(床も扉も書架も厠も木製)。

この木造図書館を利用中に天候が荒れたりすると、建物ごと異様な雰囲気になる。近いのは、映画「ネバー・エンディング・ストーリー」をイメージしてほしい。だから、図書館の厠を利用した記憶が無い。XXの怪談を地で行く、完全な異世界だった。

以上は、極めてローカルな利用者側の思い出だが、「図書館読本 別冊・本の雑誌13」の「図書館の怪談」には図書館員側の報告が掲載された。
単なる怪しい話も含むものの、立地を主因とする怪談が多い。元・病院の安置所、墓地、遺跡、火葬場、防空壕、城跡、沼。鏡の話の類いは「ゴーストハント・悪夢の棲む家」を思い出してゾクゾクします。
上記の木造図書館はその後、廃校になった校舎に移った。いわゆる使用されていた建物の気配は濃厚だったし、かなり古いし、鉄道脇だったので事故の話やら、いろいろあったが、怪談は聞かなかったナ。

「図書館読本」(本の雑誌社、2000年)

海外の有名どころは詳しく知らないが、米国などは強引に簒奪した土地なので、強力なのが棲んでそうだ。「事件記者コルチャック」でも扱っていたので、避けて通るつもりも無いのが彼の国らしい。
 

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