Tの周縁へ戻る

まどマギ雑感

去る「まどか☆マギカ」第9話で、さやかが鉄仮面の人魚姫になったゾとか喚きながら、「本棚・人魚コミック」欄に公式コミックを加えてから、それなりに時間が経過いたしました。
ネット上の大量動員による感想・短評のアップ、作品解析や劇伴コピー・創作等々が、かつて「海のトリトン」で成された時の百倍近い速度・量で展開する様は圧巻でした。
更にタイポグラフィを配した画面造りもあって、海外での読み解きも盛んに行われました(「まどか文字コンバータ」には驚いた)。これも「海のトリトン」が数カ国語を駆使している割に字幕インポーズすら無く、それなりに言及したものが登場したのは90年代だった事と対照的です。
凡そ思いつく限りの事柄は、すでに書き尽くされた感があります。以下、遺りたるを拾う程度のメモ書きです。思い出したらボツボツ追加するかも。

<ワルプルギスの夜>
本作のおかげで「ファウスト」を二十数年ぶりに新訳で読み直した。魔女図鑑での名称「舞台装置の魔女」の通り、まんまオペラ座の巨大シャンデリア昇降装置に似ている(気がする)。
<魔女の結界>
切り絵アニメ風の妙な生々しさが特徴だった魔女の結界は、舞台美術家ヨランダ・ソナベンド(Yolanda Sonnabend)の作風に近い…と思った(まどかのコスも、現代のチュチュだし)。細かい所はアナログ受信だったのでよく判らず。これから発売されるソフトで順次確認したい(暗い部分の描き込みはほとんど見えていない事が判った)。
※PS:全体を通して見ると、伝統的な舞台美術に近いものの方が多かった。
※PS:マミのコスは最初、「コッペリア」の衣装かと思ったが、各国劇団の解釈によってマチマチのようだった。
<魔法少女または魔女>
最終回を見てあらためて有名どころを数えてみると、確かにかなり多いナと思った。アッシャ、イゾルデ、シャロット、弟橘姫、カトリーヌ・ド・メディチ、グィネヴィア、クレオパトラ、ジャンヌ・ダルク、シーター、神功皇后、ナウシカア、ネフェルティティ、ハトシェプスト、卑弥呼、ボルテ、アルミーダ…等等々。未来は…知らん。
<「バイブルの背皮にされる羊の皮」(鶴彬)>
勿体ない族のインキュベータが、人間に共食いサイクルを強要するという図式が強調されていた。本編中でも語られる通り、人間>魔女(+使い魔)>魔法少女…の食物連鎖(=魔女に転移する魔法少女の数が多く、この関係は安定的)だ。
共食い自体の考察に関しては割愛するとして、9話まで見た段階で、どうすれば連鎖が終息するか予想はできたが、条件をオーバーロード(…いないのか?)が承認するのか…と思いきやフリーパスだった。三方一両損はOKだったか。
<契約といえば、あの作品>
契約にまつわる話で必ず思い出すのが「悪魔くん千年王国」。実体験か伝聞か不明だが、大金をチラつかせて中核となる「部分」を有利に買収し、大金の絡む部分はチャラにしてしまうという方法。欧米では一般的な手法らしい。つまり「与えるフリをして奪う」。人生で大事な幾つかは水木センセの作品で学んだ。魔法少女アニメを見て、この話を思い出すのもなんだが。
<サクリファイス>
犠牲になって云々…という物語は、最近では「海賊ジョリーの冒険」の3巻が「まどマギ」に劣らず酷いお話しを含んでいた。他にも「オメラスから…」や「妖怪ハンター・シリーズ」等、多数あるが管理人的には上記作かなっと。
<その他>
第3話の衝撃の大きかった事はエロパロ本で把握した。つまり、エロにもパロにもならず、本編の裏読みマンガになっていた。そう言えば「トリトン」も第3話で、庇護者であるはずの巨大海亀メドンが殺されたナ。

「おりこ☆マギカ」は、第10話で登場した最大最強の「救済の魔女」発現を阻止するお話し。予知能力者から見た時間遡行者(=影、不確定要素)や、当初の魔法合戦のイメージを一部なりとも具象化している。

時間SFの古典的作品も含む、ネタの引き出しの多さ・引用されるネタの幅は、公式ガイド本等での解説に期待する。
※そーいえば、「化物語」と折口民俗学周辺との事柄は、どこかに登場したのだろうか。


※絵が入ってないのは、管理人がお絵描きのリハビリ中だからです。1枚ぐらいは入れたいナっと。

頁の上部へ移動