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ご近所の廃虚

廃虚の探訪サイトをよく見ます。人間がいなくなって美しさに磨きがかかる建物。逆に誰かが居るような居ないような禍々しさを放ち続ける場所。ホームレスが住みついた廃虚。新聞ダネにもなった自殺者のいた廃虚、等々。

ここのは御近所の、廃虚というより廃屋といった方が正しい程度のものです。小学生の頃、駅前に銀行の廃虚がありまして、何人かで入りました。銀行といってもオール木造です。ここが何とも言い難いほど綺麗だった記憶があります。ドアを開けると2階の非常口になっている部分があり、落ちるとヤバかったりもしました。あと遊技場化していた裁判所の廃虚など、近場にゴロゴロありました。田舎町の事なので、現在も古い建物が残っており、ここなど蔦がびっしりですが、ボロいだけで現役です。

次のは、映画「じゃりン子チエ」にも登場した某遊園地の片隅に佇んでいる建物で、元は水族館の付属施設でした。中には今でも、鯨類の骨格標本と魚類等のホルマリン漬けが残されています。水族館は消滅したのですが、ここだけ何故か残されてました。来園者ルートから隔離された、知る人ぞ…な建物です。

「原雅幸画集」(求龍堂、1987年)が手元にあれば、諸作品の中からポイントを確認できます。遊園地から1Kmほど離れた道路沿いに、元は旅館らしき木造三階立ての廃屋が放置されてます。入ると、おそらく床が抜けます。これに近い物件が他にも散在しており、なかなかスサマジキ景色になってます。最近は、廃虚といえど管理が行き届いており、かつてのように出入り自由とは行かないようです。

全然たいした事のない物件ですが、廃虚サイト公開に対する感謝をこめて。管理人 拝。