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地震予報考

3月。戯れに地震雲なるものの観測を意識的に行ないました。階層状で、且つ絹雲でも飛行機雲でもない、一定の方向に等間隔で並んでいるもの…という形態を一応定義しました。結果は2回連続大当たりして、本人が一番びっくりしました。その後は3回連続で外れました。そんな事から管理人なりに考えてみた事をメモしました。

FM波にせよ、地震雲にせよ、後世まで残ってしまう書籍を出してまで、多数の方がトライされる理由は唯一つ。予報を出して地震の被害を減らしたい、この一点に尽きます。予知連が事実上、予報を放棄した見解を発表してしまったので尚更です。その内容を例えるなら、「今年は台風が3個以上来ます」や「今年は飛行機の事故が起こります」、或いは「大きな交通事故が起こります」と同等です。このような凶事は、残念ながら必ず起こってしまう事であり、そんな詐欺占い紛いの予報を求めているわけではないからです。一般的な感覚では、地震予報といえど少なくとも7〜8時間前に震源地ぐらいは予測できなければ、多分役に立たないと思われます。現在の津波予報と同じです。到達してから警報が出ていては話になりません。

頭ごなしに市井の方々の観測方法を否定するのが、従前からの公的機関の見解です。つい先日も、そのような記事が大手新聞のコラムに掲載されていました。とはいえ、地殻の歪みを観測して地震の予測をする方法は、「ハラハラ・マシンの風船(古っ)」が割れるのを待ってるようなものだな、と…これは管理人の感覚です。つまり正確に観測可能と仮定しても、臨界点を設定できないように思えます。

地震の予測ができないのは、おそらく地震が多過ぎるためだろう事は判ります。絞り込めない因果関係、地震雲などはその典型でしょう。どの現象が、どの地震と関連があったのか判別できません、これは短期間でしたが、実際に試してみて感じた事です。実例をあげると、5月5日に現れたものがありました。近畿圏内で東側、大阪と伊勢を結ぶ線上に震源地という解釈でしたが、実際には違ってました。しかし、別の場所では地震が発生しました。だからといって、安易に関連付けするのは単なる占いと大差ありません。3月は「予測」できたわけですから。その際に感じた事がもう一点。セルフ予測で期限が半日以内とはいえ、結構ストレスがありました。お天気の長期予報とはワケが違うナと思いました。人間は長時間の緊張に耐えられる生き物ではないと、当たり前の事を認識し直しました。3年以内に地震が来ると宣言されたとして、3年間も緊張していられません。

肝心の地震予測ですが、まだまだ、定点・定時・定量の観測が限られた対象に行われ始めた段階だと思います。気象・物理・生物(植物も含めて)といった幅広い観測対象の設定が必要でしょう。予報の必要なタイミングから遡及した対象の選定、事実との突き合わせ。天文も絡みそうな気がします。地震予報を本気でやるなら、まだ手付かずのものがたくさん有るように思えます。

既刊の地震本も多数あるので今更ですが、近畿圏で3世代前に発生したものを中心にまとめると…

南海トラフ沿いの地震と考えられているもの、古文書からの推定でいずれもM8クラス。

いずれも「理科年表」からです。概算で次が何年後か判断できるでしょうか?ほとんど地震の勝手でしょ…にしか見えません。中規模以上の地震を地図上にプロットすると、日本地図を真っ黒にするのに百年分も掛かりません。多いのも、逃げられないのも判っているのですから、予報を模索していく必要はあると思うのですが、どうでしょう。