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設定資料という商品

こんな雑貨を見た。

あらゆるアニメ商品の原点・設定資料。作品世界の設計図ながら、工業製品とは異なり作品が完成すれば廃棄される代物。これに価値が見出されたのは「海のトリトン」以降だったと思います。それ以前の作品は、奇特な方々が偶然保存していたものしか残っていないのが普通です。更に端的なのは色見本またはセル画でしょう。これについても再評価されたのは(少なくとも)日本では「トリトン」が先駆けです。基本的には産業廃棄物ですが、資産として保存されるべきものもあるでしょう(バブル期のしょぼいビデオ作品は不明)。

出版社・同人誌共に、設定資料を未加工のまま綴じていた時期は既に終わっています。これらが書籍として流通している現在というのは、オタク文化の爛熟に他ならないでしょう。
ただ佳作にもかかわらず、不幸(?)にして書籍になれなかった作品が片や存在する事もたしかです。新しいメディアに移行できなければ、いずれ遠からず散逸する確率が高い。商品にはなれないが、そのような作品ばかり集めた会員制のデータセンターがあっても良いのではないかと思います。非営利ファンサイトへの貸出用にとか…。商売には成り難いでしょうが。