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染め(Dyeing)と加工について

【直接染料】

媒染剤なしで直接に染色できるので直接染料(そのままじゃ)と呼ばれる。一般に洗濯に弱いが安価なため、後処理で堅牢度を上げる試みが成されている。

※蛋白系繊維やナイロンは酸性染料、アクリルはカチオン染料。
繊維ごとに適切な染色方法・染料・加工条件がある。色見本との整合、堅牢度の向上、新素材の着色条件の確立など、「染め」は間口も奥も深い分野。

【アゾイック染料(ナフトール染料)】

下漬剤(ナフトールAS類)と顕色剤(ファストソルト)を捺染後、繊維上で蒸熱処理しカップリングを起こして発色させる。捺染タオル(おぼろ染)の名入れ技法である。

【スレン染め(バット染料、建染染料、インダンスレン(Indanthrone)染料)】

藍やアリザニンは漂白時に薄くなる欠点があったが、明治40年(1907年)インダンスレン染料が東京・森鉞与によって使用され始めた。

水酸化ナトリウム水溶液中でハイドロサルファイトを用いて還元して溶かす(=建てる、Vatting)。還元させて生じた水溶性化合物ロイコ体を繊維に染着させた後、繊維上で空気酸化によって元の不溶性の色素に戻す。染料にはアントラキノン系とインジゴ系がある。
堅牢な染料だが、青・黄・褐色が多く、鮮やかな赤は得られない。

【反応染料】

繊維ー染料間に化学結合を生じるため、堅牢性に優れた鮮やかな色が得られる。

【硫化染料】

アミノ化合物を硫黄と加熱すると、親和性を持ち堅牢性の高い色素が得られる。しかし、色がくすみ色数も限られているため、あまり使用されない。

【酸化染料】

アリニン塩酸塩を繊維に吸着させ、過塩素酸ナトリウムで酸化すると、複雑な黒の色素が生成する。

【シャーリング・タオル(Shearing towel)】

タオルの特徴であるパイルはテリーパイルと呼ばれ、糸がループ状に輪奈となって布を覆っている。シャーリングタオルは、このパイルを剪毛機でカットしてビロード状の風合いにしたものである。刈り揃えられた均一なタオル表面は、細かな絵柄を捺染するのに好都合なため、プリントタオルに使用される。
しかし、パイルをカットするため毛羽落ちし易い欠点があり、またシャーリング面は吸水性が著しく低下する。毛羽落ちには様々な対策が行なわれており、イベントタオルや壁掛け・小物素材等、浴用以外の用途に給される事も多い。

※洋裁のシャーリング(Shirring)は、布を縫い縮めギャザーを寄せて飾りにする技法であり、全く異なります。

【その他】

一般衣料品とは異なり、タオルの仕上加工時に可能な処理は限定的である。衣料公害や皮膚障害の防除は当然とし、新素材を利用して商品の差別化を図ろうとしている。

…等々。光干渉発色繊維を利用したものは、未確認だが既にあるだろう(モルフォテックスは、ちと用途が違う)。

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