Tの周縁へ戻る

オリジナルタオル(名入れタオル)

ジャカード織りタオル

1804年に仏・ジャカード(Jacquard)が、単位が大きく且つ複雑な紋を織り出す装置を発明。
明治31年(1898年)、河内の橋本忠五郎が初めてジャカード機による紋タオル製織を開始する。
製織時には必ず紋紙を型として使用するが、1980年代以降はコンピュータによる直織システムも採用され、近年の高速織機は型レス化が成されている。
先染めを前提とした製品なので、少量生産には不向きである旨は注意が必要。

捺染タオル(おぼろ染)

三重県のタオル工業は、明治37年(1904年)に始められた。
後発の生産であるが、足踏織機の発明と、明治41年(1908年)に津の森田庄三郎によって考案された「おぼろ染」技術が、生産量を急増させる。
これは緯糸にのみ印捺された文字・絵柄が発色し、パイルを透かして底が朧げに見えるという製品である(別名、おぼろタオル)。特許切れに伴い各地で生産されたが、現在は需要減のため見る機会も少なくなっている。

※極めて発色数の少ない手法だったが、ポリエステルとの混織で大幅に色数が増えた。原糸のコストが問題ではあるが。

印刷タオル

パイルタオルの端に平織り部分のある「平地付タオル」を使用。
1色(或いは2色)の布用インクで印捺する。通常は平地部分に印捺するので、捺染タオル(おぼろ染め)とは異なり、文字・絵柄の明瞭な名入れタオルとなる。いわゆる「粗品タオル」は、この製品を指す事が多い。
ブルートレイン(さくら、富士、はやぶさ)のタオルも、一見すると此のカテゴリだが、実際には大きな型枠(スクリーン)で顔料プリントされている。2色以上ではシビアーな位置合わせが困難なためである。

【防染・抜染・注染、その他】

防染(Resist print style)は、特殊な糊を押捺して染料の浸透を防ぎ、糊部分を白く残して絵柄・文字を表わす白色防染と、色が入る着色防染がある。

抜染(Discharge print style)は、抜染性の良い反応性染料を用いたカラータオルに、抜染剤で絵柄・文字を白く抜く白色抜染、或いは着色抜染がある。

注染は、文字通り染料を注ぎ入れる。日本手拭いの本染めや浴衣が代表的な製品である。1枚の型で多色染色も可能。生産性は悪いが、世界でも類の無い技法である。

その他、防抜染、型付け浸染(ろうけつ染めを含む)、引き染め(友禅染めに多用)、絞り染め、亀裂染め、ブロック染め、墨流し染め、等多数存在するが、タオルに関して言えば防染・抜染にほぼ限定される。これらは、各々裏通りしている事が特徴と言える。

プリント

ステンシル(孔版)によるプリントでは、従来の型にあった「つり」の制限から解放されると共に、多数の色が使用可能である。
1枚ずつ裁断されたピースものタオルを定位置に固定する作業は人手によるが、プリントはベルト走行式で送られ一定の圧力・条件で捺染される。この技法で、シャーリングタオルに華麗なプリントを行なった製品が登場したのは、昭和40年代後半の事らしい。
プリント設備によるプリント可能範囲の制限(中ベタ、全面ベタ)、顔料インク・染料インクの特性に応じた選択は、適宜判断する必要はあるが、比較的品質の均一化が期待できる。
なお現状、タオルの裏面にはプリントできないので、生地色(主に白色)のままである旨は留意する必要がある。

【インクジェット捺染】

捺染に於ける最大の課題は、彫刻・製版工程の手間・コストの省略である。ステンシル等による自動スクリーン捺染では1色1版を要してしまう。
解決法の一つとして、インクジェット記録技術を応用した製品が考案されてきた。近年の技術革新によって、染料インクによるインクジェット捺染も現在は商用化されている。今後の課題はコストです。

転写プリント

転写プリントは、インクジェット記録技術の布帛への応用検討から生じた。原理は写し絵遊びと同じだが、180〜200℃の熱と圧力を加える。現在、様々な転写用紙、転写シート、転写用昇華性インク(分散染料)が開発されている。
ポリエステルと綿の混織タオルへの適用や、シャーリングタオルへの粘着剤を塗布した平面支持体の接着。更に綿製品ではなく、マイクロファイバー等の布帛(ミニハンカチ〜バスタオルサイズ)にフルカラーの全面転写プリントを行なっている製品も流通している。

頁の上部へ移動