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タオルの素材

【天然繊維】

天然繊維は、植物由来(綿、麻)、動物由来(絹、毛)、鉱物由来(石綿)に分類される。近年は、バナナ・竹・ケナフ・月桃・アナナス(鳳梨布)も利用され、一部はタオルにも用いられている。
※特殊な織り物原料として、芭蕉・竜舌蘭・楮(こうぞ)・科(しな)・葛・藤・刺草(いらくさ)・棕櫚(しゅろ)・薇(ぜんまい)を付す。

【綿】

あおい科ワタ属の1年または多年草。構造上、普通は自家受精が行われるが、昆虫によって交雑することもある。果実(さく)が成熟し開絮すると裂けた中から木綿繊維(リント)と短い地毛(リンター)が現れる。機械紡績には海島綿・エジプト綿が適しており、繊維の短い日本の在来綿は不適である。
綿種子が日本に伝来されたのは、延暦18年(799年)との事であるが、栽培がうまく行かず途絶えている。記録上は13世紀に再登場するも、政情不安から栽培は拡大せず、全国へ広まるには戦国時代の終焉を待たなければならなかった。

【麻】

衣料用として用いられるのは、亜麻、苧麻、ラミー。亜麻の糸や製品を「リネン」と呼ぶ。他の麻はロープや袋・カーペット等に使用される。
綿よりも強靱で吸湿・吸熱性も大きく、接触冷感が特徴なので夏向けといえる。伸縮性は無く、硬い繊維で皺になり易い。

【再生繊維、その他】

レーヨン、キュプラ(ベンベルグ)、ポリノジックは、木材パルプや綿リンターといった天然繊維由来の特質(吸湿性)に加え、更に機能を拡大(速乾性、消臭性、等)している。
ポリウレタン(スパンデックス)はスポーツウェアにも使用される、ゴムのような伸縮・弾力性とゴム以上の丈夫さ(劣化し難い)を持ち染色性も良い。
※未見だが、ミルクカゼインとアクリルニトリルの共重合「シノン」もタオルに使用されている。

今後も新しい素材が開発される度に、差別化を図った様々な製品が生まれてくるであろう。

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