作者の有名無名とは関わりなく単行本に収録されない、或いは収録され難い作品というのがあって、まるで澱のように蓄積されていきます。出版社の都合であったり、作者のポリシーであったり理由は様々です。 手塚治虫氏の場合は朝日新聞に掲載された「海のトリトン」がそうです。実際に描いた方は、同アニメの関係者です(絵本版は誰だ?)。大友克洋氏ならバラエティ誌の「饅頭こわい」でしょう。この場合は著作権処理が煩雑過ぎるためかもしれません。大島弓子氏の「密造アップルサイダー」や星野之宣氏「バトルブルー」は、作者の都合のような気がします(「バトルブルー」収録本は「Tの本棚」参照)。 現在は流通量が頭打ちな上に、描き手は多いし、個人誌売買のルートもそれなりにあるとなれば、更に一期一会マンガが増えていくのかもしれません。以前ならば掲載雑誌を購入し、切り抜いて単行本化されるまで残しておくという、こまめな保存を心掛けていました。最近はそんな根気・粘りも有りません。流されまくっております。 |
|
藤子不二雄「オバケのQ太郎」「Qちゃん誕生の巻」。虫プロ商事1971年発行のカラー・2色そのまま版です。当時の世相が生々し過ぎて、本作を管理人は嫌いです。裏は「いなかっぺ大将」だ。 |
|
大島弓子「九月の情景」「night green」前者は小学館1977年。割とまめに豆本を買っていた。後者は角川ルビー文庫1994年。あと、チェリッシュギャラリー「小幻想」も。ギフト用の造本なのに手元に残っているのは渡す機会を逸したからじゃ(シクシク)。流通量が少ないので高めの古書価を見るが、内容は再構成ものだからネ〜。 |
|
松本千秋、岡本蘭子「ラブクラフトの幻想怪奇館」いわゆるオドロな絵ではなく、少女漫画らしい丁寧な画面処理が施された作品。「死体安置所にて」「アウトサイダー」の解釈に顕著です。版元が大陸書房だった事に気づいたのが、ごく最近でした。原作のマンガ化は多くないと思うのですが、このまま消えていくのでせうか。 |
|
久下じゅんこ「Twilight Commotion」明るい吸血鬼の物語。あまりのご近所度に驚いた事もありますが、なにげに好きで残してます(本作は個人誌です)。 |
|
風田朗「レインボー戦隊」藤子不二雄、石森章太郎、鈴木伸一、長谷邦夫によるテレビ放映作品の原作。こう書くとナンだが、某凄腕アニメータK氏の絵がうま過ぎて、本作の絵がチマチマした印象になってます。石森氏の「幽霊船」もそうですが。 |
|
「自選複製原画集」ギフト用とブ厚い装丁だったものも含めて一応ひと通り買いつつ、これは無用の長物かもと思ってましたが、デカい絵というのはやっぱり良いものです。後で効いてきました。 |
|
小島利明「レインボーマン」原作・川内康範、脚色・伊東恒久。トンデモTV特撮番組の雄の漫画化。放映当時、レインボーマンより死ね死ね団の方が大好きという、トンデモなガキでした。 |
|
「内田善美作品」2冊の傑作集と自選原画集は「Tの本棚」へ編入済み。「聖パンプキンの呪文」も有ったはずだが …。「ソムニウム夜間飛行記」は当時の興味とズレてたのでコレだけ購入してません。復刊交渉が膠着中なのが気になります。振り返ってみると本当に寡作な方…というか量産に不向きな画風です。 |
|
「森やすじ・動物カット集/絵本」台風のため、何冊かが水濡れして見るも無残な有り様に…トホホ。絵本がダメージを食らってしまったので検索してみたら、こちらも何やら在庫が怪しい。消えるのは、ちと早過ぎると思いますが。 |
|
末弥純「カペルドーニャの鉄騎士」
|
|
はるき悦巳「伝説」異色作ながら「じゃりん子チエ」のヒットで、稀有な事に単行本に収録された。バーミヤンの磨崖仏とゴーレム伝説を足して割ったような物語。 |
|
衣谷遊「漂泊の抒情詩人」氏のデビュー作?。連載は不可能と思える凄い描き込みの短編。手塚氏の「どろろ」を若干ソフトにしたようなお話です。後年、同題シリーズ本の中には編入されていませんでした。これだけ未確認。 |
|
大山玲「THE FISHBONE」単行本化を待っている人も結構いるのではないかと思います。単行本発売の告知があったのに未だに出ていません。 |
|
山岸凉子「アラベスクの世界」第1部のための解説本、「りぼん」1972年12月付録。スポ根風から第2部のサイコな展開、両方とも結構ハマッた証に、これが残っている(と思う)。 |
|
倉多江美「ぼさつ日記」パソ通時代は、この作品からハンドルネームを借用していたが、ネット作家に同じのを使っておられる方がいたので変えました。 |
|
堀江卓「赤い風車」以前「饅頭こわい」にこれも登場するかと思いましたが…。敵忍者の技術も凄いが、「赤い風車」の方も新兵器で対抗する、江戸時代忍者版「エイトマン」かも。 |
|
さいとうたかを「サイレントワールド」宇宙の彼方へ行きて帰らざる物語。「シャドウマン」「バロム1」等々、本の痛みの激しさがそのまんまハマリ度合を示している。 |
|
小沢さとる「エムエム三太」小沢氏の作品では、海洋ものよりこちらが好みでした(オイ^_^;)。キャラ名に海洋作品の影がチラホラ。 |
|
桑田次郎・平井和正「エリート」適当に選ばれた三人の超人類に、人類の未来を決めさせるクールなこの作品をはじめ、桑田氏のSFシリーズが朝日ソノラマからまとめて出版されたのはかなり嬉しかった。 |
|
松本零士「ワダチ」機械化人間ヒミコ?が大地球の環境に侵食・破壊される部分が差し替えられた話の表紙です。星野之宣氏の「ブルーワールド」でも拘りの差し替えが有りました。 |
|
久松文雄「冒険ガボテン島」虫プロ版はカバーと1巻目が消滅してしまったので、後年の復刊は助かりました。つーか、買うなら全巻揃えんか!な状態です。欠け部分のみ新規購入(^_^;)。 |
|
ちばてつや「餓鬼」暗いクライ物語。TVドラマ化したかな?多分違うと思うが…。おまけで収録されていた短編しのはら勉「腕」も気にいってます。 |
|
下元克己「ゴキブリ野郎」シュールにエネルギッシュ且つ、リアリズムの作品。なにげに好きな作品。 |
|
吉田竜夫・梶原一騎「ハリス無段」ハリス流科学柔道マンガ。この時期に必ず出てくるのがヘーシンクです。ひたすら怪しい技が豪快な作品。 |
|
九里一平「紅三四郎」
|
|
石森章太郎「龍のひげ」当時は、このような完全絵本形態で出版されると思っていなかったので驚いた記憶があります。大判ゆえの利点を一番生かしていたのは、この作品だと思います。 |
|
手塚治虫「ジャングル大帝」カラーも掲載時のまんま収録出版していたシリーズ全五巻。全集でいつでも読める今も、この体裁が気に入っていて残してます。 |
|
上村一夫・阿久悠「悪魔のようなあいつ」TVドラマとタイアップした作品。最後は、ルパンと同じ方法で金を隠していた…。何でこれを残していたのか?自分でも判らんッス。 |
|
小島剛夕「剣は知っていた」氏の比較的初期の作品なので、省略より描き込みの美学優先なような気がします。カバーに作者の名が入ってないのに今頃気がついた。 |
|
横山まさみち・木本正次「黒部の太陽」同題映画の漫画化。他に「香港の水」等を収録。インフラ整備のために自然の猛威と闘う話。最近この種の漫画が復活して嬉しいッス。 |
|
水木しげる「がんばれ悪魔くん」「夜の草笛」「悪魔くん」は待ってましたネ、「千年王国」しかなくて。筑摩書房が、この時期の作品を大量に復刻してくれたのには驚きました。 |
|
西谷祥子「水の子」水泳の物語。終盤、日本では敵無しになった主人公の少女に、楽々とついてきたのが米国の水泳選手という所が、なかなか深い設定かな。 |
|
関一彦「21世紀の日本・オーム伝」いまだにお話の全貌がよく判っていない作品。判らないので残っている。 |
|
前谷惟光「ロボット三等兵」下級兵士を主人公にして軍勤務を戯画化したもの。「シュベイク」なんかと違うのは、何と言っても彼はロボットですから。 |
|
石川賢「ウルトラマンタロウ」脱力だったTV作品とは異なり、より「セブン」に近いシリアスで熱いウルトラシリーズ漫画。 |
|
楳図かずお「笑い仮面」当時、核戦争等による絶滅を回避するため、魚人間化するか蟻人間化するか、どっちかを選べ!的な雰囲気が漂っていたような記憶がある。 |
|
山上たつひこ「旅立て!ひらりん」新装版が出た記憶がなく、いまだに残っている作品。おかまが包丁を振り回してスネる所が好きです。読んでない人には意味不明だと思いますが。 |
|
山根赤鬼「大岡越前守」「一休さん」伝記まんが2作。なぜか、この手の話が残る。高野山で買った怪しげな?伝記まんがも残ってる。捨てるとバチが当たりそうだからか。 |
|
楠高治・仁田信夫「遊星仮面」やたら見得を切るのが楽しい、シリアスな設定のTVアニメの漫画化。イモシ博士が全ての悪行を背負って逝かれました。 |
|
米田武士「重機動浩宮捕物帖」「イデオン」がガンガン放映されていた時期という事が判り易い作品。同人誌上作品のオリジナル作品集成…夢やね。 |
|
そういえば、藤子F不二雄氏の「ジャングル黒ベエ」も「ちびくろサンボ」の二の舞いになったような…。出版社の都合は理解するが、一度くらいは論陣を張ってから規制しても良いのでは、というのは読者のわがままでしょうか。
|