「コバルトブルー出張版」この閲覧室の容量の大部分を占める「Tの本棚」は、奈良トリトン同盟誌に不定期連載されていた「コバルトブルー」を拡張したものです。当時はガイドラインらしきものが何もありませんでした。今回これを書こうとして、SFの解説書を見直してみましたが、やはり直接的には微少です。 福島正実氏が「SF入門」を上梓された時代は、SFという領域を体系づけて世間に認知させる事を目指していたように思います。現在、そこからどのぐらい変化したのか、明確に計る術を持ってはいません。当時そして、現在もチェックし続けている「海洋テーマ」作品とは、いつまで経っても全作品という光を照射して、浮かび上がった幻影みたいなものでしょうか。有るような無いようなカテゴリー、なのかもしれません。 この閲覧室が「海のトリトン」を基にしている以上、それなりに煩悩を刺激してくれるものが対象に成りやすいです。「海洋テーマ」を扱いつつ、かつての「コバルトブルー」を引き摺って、けっこう強引に「場」を創リ出そうとする、不遜なシロモノ。それが「Tの本棚」です。 「海洋テーマ紹介本」具体的に海洋テーマを扱ってくれていた書籍としては、月刊_OUT「大海洋の季節」、SFアドベンチャー「海洋テーマ」が1981年(「SFの冒険」に編纂)、そして「世界の海洋文学_総解説」が1984年に出版されたぐらいです。SFマガジンで中村融氏による「海洋SF特集」が組まれたのは1990年夏の事です。早川書房「SF入門」には、福島正実氏編纂および日本SF作家クラブ編纂の双方ともに「海洋テーマ」は含まれていません。他の年代別・国別・作家別の解説書となると論外です。よく見れば、あちこちにちりばめられてはいますが、探す手間を考えると『何とかしてよ』と言いたくなります。 ファンジンでは、SF創作研究会パラドックスの「PARADOX_No41」(1999年)で海洋SF特集を組んでいます。副題「A. C. クラークとイカの関係」が主軸で、作品紹介が続いています。 「包含する範囲は何処まで?」既存のテーマ別作品群を横断する形で広がっている「海洋テーマ」について、SFマガジン誌上で大雑把ながら整頓してくれています。
…が存在しています。 「トリトン系FZではどうだったか?」肝心の「トリトン」系ファンジンの場合、どのような見方をしていたか? いずこも同じ分類というわけではありませんが、概ね当閲覧室のような状況だったと思います。列記すれば…、
その他として、塩屋翼氏や広川あけみ氏の出演した作品の話。そして、最も特徴的なのが、ファンジンなので当然ですが「海のトリトン」外伝・裏面史の創作小説・マンガ・詩です。多数を占めていたのは、敵対する両氏族の因縁話や最終回の直後の解釈をめぐる話、アトランティス大陸秘話でした。稀に、ラブクラフト「海底の神殿」の如く潜水艦と海棲人の絡む話や純粋海洋モンスターもの、デザスター作品が含まれます。玉石混交ですが、いずれも「愛」がこもっています。
「これはどーしようか?」海の物語ばかりではなく、ドサクサに紛れて「水」を扱った作品も「本棚」には編入しています。これは泉鏡花作品の他、幾つか外したくなかったものが有ったからです。例えば、自動的にリストアップされる「海神別荘」「海異記」「海戦の余波」とは異なり、「貝の穴に…」等は微妙な位置づけですので。他にも山田登世子氏の「涙のエロス」、天沢退二郎氏「光車よ、まわれ!」といった作品も同様です。 最近は管理人も読書時間が激減りしているので、あまり欲張らずにボチボチやっていきます。相変わらず情報量の少ない土地柄なので、ガツガツしようもありませんが…。 |