Tの磁場

「海のトリトン」のファンジン

《概 況》

日本最初のアニメーション同好会は「3F」らしいですが、TVアニメの…となると「海のトリトン」が最初のはずです。
草創期は、ジアゾ青焼きコピー並びに自家製本の同人誌です。オフセット印刷は大抵、赤字覚悟の発行でした。まもなく、ゼロックスの間接式静電複写機の基本特許が期限切れとなり、各社がこぞって複写機を開発・販売。普通紙コピーが安く簡便に使用可能になっていきます。
同人誌というのは、オンデマンド印刷の先駆けみたいなものですから、その後の様々な技術革新の恩恵をかなり享受していると思います。ワープロ然り、DTP然り、カラー印刷の低価格化、等々。管理人は複写機業界に長らく寄生してきたので、一般的な印刷よりそちらの方が専門ですが…。 在庫同人誌の販売による、キャシュ・フローの健全化も目的だったはずの各同人誌即売会も、実際にはどうなのでしょうか。本来の目的を完遂しているのでしょうか。参加者は相変わらず多く、それ自体は結構なことですが。

さて、肝心の「海のトリトン」同人誌ですが、はっきり言って管理人は、このテーマを語れるほど深く関わってきていません。辛うじて参加していた奈良トリトン同盟を基点にして、間接的にしかアプローチできません。誰かがいつかは、全体像をまとめてくれるかも。

《同人誌の機能遷移》

1972年当時、現在からは想像もできないほど、アニメの情報が少なかったため、阪神百貨店のイベントが「海のトリトン」会誌発行の端緒になったのは、割と有名な話(?)です。しかし当時、管理人もその場にいたにもかかわらず、全くコンタクトできなかったです。この時点で既に外れてます(ワオ!)。
それはさておき、基本的には掲示板の代行だった会誌の中身も、次第に「トリトン」より他の作品の話が多くなります。すると、これに反発するかのように創作マンガ・小説・レポートが主流を占めていきます。

参考までに会誌「大西洋」35号(1989年)は、全_238ページの内75%が創作作品でした。

最近は、コミケにも行けない状況なので何も判りませんが、後段の傾向からあまり変化していないと思います。それに、こういった創作行為というのは、精神衛生上けっこう有益な事です。
なんにせよ、人間というのは変わらずにいる事が難しいのです。仕事はあるし、年齢が増えれば自分の時間は減っていく一方です。ですから、現在も活動している「トリトン」ファンには、超合金の筋金が入っているのは確かです。

《個人的な事柄》

ここ「少年少女海洋冒険物語」は、管理人の個人誌「海・活」が基になっています。
誌面作り自体は、どうひっくり返っても営利行為には結びつきません。作品投稿の場としての電脳世界は、他のHPの作例を見ても明らかなように最適に思えます。なにせ、印刷費用は不要だし、在庫は抱えなく済むし、内容に問題があるなら検索エンジンから逃れた上にアクセス制限を設ければいい事ですから。
どうしても印刷物にする必要があるなら、B5またはA4判前提でデータを最初からPDF化して揚げておけば良い。そして、本誌の発送も電子データで送れば済む。もちろん、全会員がパソコンを所持している必要はあります。

また、今後の方向性として、以前に発行されたグループトリトン「Game Comic GO-GO TRITON」(1988)のように、FLASHゲームまたはシンプルにHTML化した方が真価を発揮しそうなものもあるでしょう。差し当たっては、自分の昔の作品からコンバートしていく予定です。元データの残っていない小説が一本あるので、この辺から手をつけようかと思います。進める内に問題や限界も見えてくるでしょうから、使うアプリも見直しするかもしれない。とにかく、やってみることですナ。